活動報告

鈴木晃志郎(富山大学准教授)の活動報告ブログです

 

今年も、卒業生たちが巣立っていきました。


Category: 社会にお返し   Tags: ---
恒例の卒業祝賀会が、ホテルグランテラスで開催されました。
今年の卒業生、人数は多いしキャラも濃い目、O先生が途中不在になる中で色々とやきもきはしましたが、振り返ればインターカレッジでも優秀賞を取り、卒論もだいぶ下駄こそ履きはしたものの落伍者は出ず、賑やかで明るい中にもそれぞれ個性豊かな14人でしたね。いつもの倍の数がいたのに、入学時の私との約束「みんなで助け合って一緒に卒業して欲しい」を見事に果たしてくれました。教えてて楽しい、いい学年でした。

卒業祝賀会2018

よく言われることですが、まだ何者でもない大学時代は、打算や損得抜きの仲間らしい仲間ができる最後の時期かも知れません。社会に出たらつながりは職縁が中心になり、自ずと職場の社会関係が人間関係の上に影を落とします。そういう人間関係しかもてなくなって初めて、大学時代の仲間の貴重さが分かります。これだけの大所帯で三年間を共に過ごしたのもひとつの縁。卒業後もその縁を大事にしていってくださいね。卒業おめでとう。

テーマ : 資格取得    ジャンル : 学校・教育

GISTAM 2018に参加しました。


Category: 論文書いたよ   Tags: ---
先にも触れましたが、3月17日から19日にかけて、ポルトガル領マデイラ諸島のサンタクルスという小さな港町で開催されているGISTAM2018という国際会議に参加しています。

gistam

2013年の国際地理学会IGUの分科会CSRSでの発表は開催地が日本でしたし、ほかのいくつかの国際会議も韓国などの隣国でしたので、私にとって今回の国際会議は、2004年にドイツで開催された国際会議以来の、完全アウェー&ガチ査読付きの国際会議になりました。思えば2004年の私は博士課程を修了したばかり。空間認知の狭い世界しか知らず、先の見通しもなく、全てが五里霧中でした。恩師のご厚意で旅費を助成してもらって、単身ドイツへ乗り込んだのを懐かしく思い出します。それから10余年、こうして研究の世界で禄を食むことを許され、かつての空間認知とは全く違う分野に挑戦して独力で査読を通し、遥か12,000km 彼方のマデイラまで。しかし、その旅費はあの時と同じく恩師からの(但し今回は科研費分担者としての)助成。全てが不思議な巡り合わせで、私にとってはとても感慨深い出張となりました。

高校までは偏差値50もなかったぼんくらの私にとって、国際会議への参加は聴覚・言語障碍者の気持ちを痛いほど味わうことができ、人に優しい心を改めて涵養するいい機会です。今回はどういうわけかSpatial Analysis and Integrationとかいうセッションの座長も拝命し、畑違いの発表4本を仕切るという拷問もあって精神的にも久々に疲弊しましたが、自分のプレゼンではあたふた英語にもかかわらず質問をたくさん頂戴し、どうにかこうにか大意くらいは聴衆にも理解していただけたのではないでしょうか。これで投稿原稿も公開可能になりましたので、以下に公開します。

Suzuki, K. 2018. A Newly Emerging Ethical Problem in PGIS - Ubiquitous Atoque Absconditus and Casual Offenders for Pleasure. Proceedings of GISTAM 4: 22-27.

内容は、ここ数年間にわたって、色々なところで恥と汗をかきながら少しずつその精度を高めてきた地理情報倫理の構築に関する提言です。改めてそのおおもとを辿ってみますと、2011年にたまたま観光研究学会の研究グループで吉永さんや駒木さんを富山にお招きして研究会を開催した同年の冬にまで遡ります。このとき愛知大の駒木さんがフードデザートの話題提供をしてくださいましたが、そのときふと、ラスタデータで異なる値の境界線上に位置している対象者をどちらに分類するかをめぐって倫理的課題がないだろうかという疑問が湧いてきたのが発端でした。

「GIS使いはこういうGISの倫理的課題にどう答えているのかな?」から出発し、研究会をご一緒した江戸川大学の吉永さんを通じて倫理学会に顔を出させていただいて、情報倫理の研究者に疑問をぶつけたのが、2012年の日本倫理学会第63回大会のワークショップ『デジタル・マッピングの倫理-地理学と倫理学の観点から』。このときコメンテーターをなさっていた神崎先生(南山大学)からいろいろと教えていただきながら問題意識をさらに洗練させ、2014年には京都生命倫理研究会からのお招きで「ユビキタス・マッピング時代のプライバシー問題」と題しての話題提供。このときいただいたご示唆をもとに、「遍在する、隠れた神としての電子地理情報技術-地理情報科学における倫理的課題について」を発表したのが2014年秋の日本地理学会でした。翌年始めには、そこまでの議論を通じてまとまってきた問題意識をもとに「Web 2.0時代の地理学と『電子地理情報倫理』」(地理 60-1, pp. 48-51)を寄稿。アジ文っぽい書き方になってしまったものの、実質的にはこれが今回の論考の原型だったかも知れません。

ほどなく、地理学会での発表がご縁になって若林科研の『GISと社会』に加えていただき、昨年の『参加型GISの理論と応用』でのチャプター執筆、北陸G空間Expoの基調講演の機会をいただくところまで、構想からおよそ6年。駒木さんとの雑談から始まった研究課題が、6年の時を経てわらしべ長者のように膨らみ、ついには国際デビューまですることになるのですから、研究とは本当に人のご縁で成り立っているのだなと改めて痛感するばかりです。これまで学んできたことのほぼ全てを、この小論に注ぎ込んであります。査読者にAmazingと言われる経験なんて今後の人生でもないと思いますが、それだけ長い期間にわたって、多くの先生からのご示唆(と旅費)をいただいて、大きく育てられたのがこのテーマでした。ブラッシュアップに関わってくださったすべての先生方に、改めて感謝申し上げます。


テーマ : 海外旅行    ジャンル : 旅行

お知らせ:金沢大学『グローバル社会と地域の課題』成績について


Category: お知らせ   Tags: ---
今期担当した、金沢大学(国際基幹教育院)の科目『グローバル社会と地域の課題』の成績をつけ終わりました。私は富山の人間ですから、成績をつけられた金大の皆さんがご自身の評価について、私に何か尋ねる機会はなかなかもてないと思います。そこで、少しではありますがこの場で、匿名化した結果を公表しておくことにしました。ご自身の評価を教室全体の中で相対化する際の参考にしてください。非常勤先ということもあって成績評価の匙加減も分かりませんから、敢えて全体の評価分布もお見せしますが、概ね80点以上の優秀者が2割、70点以上が4割ですから、他の教科に比べてことさら厳しいわけでもないのかなと思います。どうでしょう?

金沢大非常勤2017年度:成績

また、ざっくりと医薬系(看護、保健、医学を含む)と理工(環境デザイン、電子、機械)、人文(人間社会、人文、法経を含む)に分割して、平均点の差を検定してみました。人文系のスコアが高めに出ていますね。試験では、分布図2枚の関係を読みとって、なぜそういう傾向が現れるのかを推論するという、応用力を問う問題を含めました。これが、他分野の方にはちょっとハードルが高かったのかも知れません。ただし、医薬と人文系との間には成績上の有意差はみられませんから、人文系に有利であったというよりは、理工系の方々に不利であったということなのでしょう。

ちなみに、不可をもらった方は教室全体でも下位の7%に属している(有り体に言えば下駄を10点履いていた=テストが50点未満であった)ことは理解してください。来年は私の仲良しの先生が専任でこられ、この科目を引き継がれる予定です。きっと数段面白いと思いますから、不可を貰ってしまった方は次年度、捲土重来を期してください。


テーマ : 大学通信教育    ジャンル : 学校・教育

卒業論文発表会・予餞会が開催されました。


Category: 巡検・実習   Tags: ---
恒例の卒業論文発表会と予餞会が行われました。今年は卒論生が14人といつになく大人数なうえ、大西先生が一時サバティカルでご不在ということもあってどうなることかと思いましたが、とりあえず発表するところまで来ただけでもたいしたもんです。何がどう大してるのかは分からんが大してます。この後さらに提出原稿の修正が入り、それが14人分→口頭試問で疲弊した教員をさらに苦しめることになったのでした。というわけで、来年からは提出後の修正は認めないことになったんだけど、みんな!それはこの4年生のせいだよ!恨むならこいつらを恨め。

卒論発表会2018

予餞会は、グリーンパーク吉峰での開催となりました。大半が塩化物泉の富山にあって、塩っぱくなくとろみのあるアルカリ性単純泉で、私も気に入っている温泉のひとつです。発表会の疲れを癒し、夜遅くまで話に花が咲いていたようですね。先に寝ちゃってすみません。皆さんもお疲れさまでした。合否判定まだだけど。

ちなみに、また知らんうちに妙な券置いてったやつがいるんだけど(同一犯?)。肉食いに行きたいなら名を名乗れ名を!
謎のチケット

テーマ : 自己啓発・能力開発    ジャンル : 学校・教育

2017年度・文献講読・受講生選定論文リスト(随時更新)


Category: 文献講読   Tags: ---
The Selected Articles List of The Classes on Literature Readings, 2017
2017年度の文献講読で選ばれた論文のリスト

和 文 講 読
01. 後藤拓也 2016. 食品企業による生鮮トマト栽培への参入とその地域的影響―カゴメ(株)による高知県三原村への進出を事例に―. 地理学評論 89(4): 145‒165.
02. 大塚昌利 1980. 浜松地域における楽器工業の集積. 地理学評論 53(3): 157-170.
03. 金玉実 2009. 日本における中国人旅行者行動の空間的特徴. 地理学評論 82(4): 332-345.
04. 倉原宗孝 2005. まちづくりにおける「老い」の視点の意義と実際に関する考察. 日本建築学会計画系論文集70(592): 163-170.
05. 田原裕子・荒井良雄・川口太郎1996. 大都市圏公害地域に居住する高齢者の生活空間と定住意思. 人文地理 48(3): 301-316.
06. 上島智史2011. 近世対馬における城下町の空間構造. 歴史地理学 53(4): 19-37.
07. 韓 柱成1995. 日本における長距離高速バス路線網の発達. 季刊地理学 47: 203-211.
08. 植村円香2013. 高齢化に伴う果樹複合産地の変容―長野県飯田市・高森町の干し柿生産を事例に―. 地学雑誌22(3): 502-520.
09. 佐藤慎吾2008. 後援会の空間組織と選挙戦略―衆議院富山県第三区を事例として―. 季刊地理学60 (1): 23-390.
10. 林 琢也2007. 青森県南部町名川地域における観光農業の発展要因―地域リーダーの役割に注目して. 80(11): 635-659.
11. 鈴木晃志郎・若林芳樹2008. 日本と英語圏の旅行案内書からみた東京の観光名所の空間分析. 地学雑誌117(2): 522-533.
12. 川田力 1993. 長野県佐久地方における大学進学行動と大学新規卒業者の就職行動. 地理学評論Ser. A66(1): 26-41.
13. 初澤敏生 2017. まちづくり事業に大学が参加する意義. 季刊地理学 69(1): 3-18.
14. 滝波章弘 1996. 作文に表現される子どもの世界. 人文地理 48(5): 482-498

英 文 講 読
01. Yui, Y. 2006. Purchases of Condominiums by Single women and their backgrounds in Tokyo housing problems for women. Geographical Review of Japan 79(12): 629-643.
02. Matsui, K. 2010. Commodification of a rural space in a world heritage registration movement: Case study of Nagasaki Church Group. Geographical Review of Japan Series B 82(2): 149-166.
03. McEwan, C. 2017. Spatial processes and politics of renewable energy transition: Land, zones and frictions in South Africa. Political Geography 56: 1-12.
04. Yasuda, S. 2017. Managing Halal knowledge in Japan. Asian Journal of Tourism Research 2(2): 65–83.
05. Norito, T. 2012. Structural features of the east Asian food systems and dynamics: Implications from a case study of develop-and-import scheme of Umeboshi. Geographical Review of Japan Series B 84(2): 32–43.
06. Tanaka, K. 2008. Recent trends and issues in geographical studies on modern transportation in Japan. Geographical Review of Japan 81(5): 292-302.
07. Eckert, J. and Vojnovic, I. 2017. Fast food landscapes: Exploring restaurant choice and travel behavior for residents living in lower eastside Detroit neighborhoods. Applied Geography 89: 41-51.
08. Boyle, E. 2016. Imperial practice and the making of modern Japan's territory. Geographical Review of Japan 88(2): 66-79.
09. O'Kelly, M. 1998. A geographer's analysis of hub-and-spoke networks. Journal of Transport Geography 6(3): 171-186.
10. Emond, C.R. and Handy, S.L. 2012. Factors associated with bicycling to high school: insights from Davis, CA. Journal of Transport Geography 20: 71-79.
11. Daniels, M.J., Harmon, L.K., Vese Jr., R., Park, M. and Brayley, R.E. 2018. The spatial externality effects of football matches and rock concerts. Tourism Management 64: 129-141.
12. Chase, J. and Healey, M. 1995. Spatial dynamics of tour bus transport within urban destinations. Applied Geography 15(1): 18-34.
13. Melo, S.L., Matias, L.F. and Andresen, M.A. 2015. Crime concentrations and similarities in spatial crime patterns in a Brazilian context. Applied Geography 62: 314-324.
14. García-Palomares, J. C.; Gutiérrez, J.; Mínguez, C. 2015. Identification of tourist hot spots based on social networks: a comparative analysis of European metropolises using photo-sharing services and GIS. Applied Geography 63: 408-417

テーマ : 英語・英会話学習    ジャンル : 学校・教育

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