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活動報告

鈴木晃志郎(富山大学准教授)の活動報告ブログです

 

特集号 「再生可能エネルギーの施設立地がもたらす景観紛争」 公開のお知らせ


Category: 社会にお返し   Tags: ---
 今年の夏から半年間かけて準備を進めてまいりました『地域生活学研究』誌上の特集:
再生可能エネルギーの施設立地がもたらす景観紛争-北杜市の持続的発展に向けた対話の試み が、このたび公開の運びとなりましたのでお知らせいたします。

 東日本大震災を受け、菅直人がその任期の終わりに成立させたのが、いわゆる「再生可能エネルギー特別措置法」でした。それからわずか4年、さながら雨後の筍の如く、日本各地に太陽光パネルが出現していることは、皆さまもお気づきのことと思います。こうした太陽光パネルは (1) 地面にパネルを直接立てて建設費を抑え(=野立て)、(2) 発電規模を小さくして法規制の網の目をくぐる形で建設されています。

パネル設置状況

 買取制度の施行によってこの「野立て方式」が商業ベースに乗った結果、条件不利地域の地主が、少ない開設資金で空いている私有地にパネルを置き、手軽に副収入を得ることが可能になりました。しかし、法規制の難しさから施工や品質管理のほとんどは野放し状態であり、一部では景勝地や住宅地に出現したパネルが近隣住民との軋轢を生んだり、先の茨城の堤防決壊の際も話題になったように、設置工事のずさんさが災害をもたらすケースも増加しています。

 そこで、本特集はこの新たな課題が全国的に知られるきっかけとなった山梨県北杜市を対象に、おそらく学術誌としては初めてこのテーマに正面から向き合い、予防的に紛争解決を試みることを意図して企画しました。誰もが投稿できる電子ジャーナルのフットワークの軽さを生かし、当事者のナラティブを可能な限り歪めることなく、学術誌としての質的保証を担保しながら披瀝しあう場を提供する(ことで、冷静な議論を喚起し、相互理解の促進に資する)試みです。以下に、特集の目次を掲げておきます。各記事のタイトルに本文へのリンクを貼ってありますのでご利用下さい。

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01. 鈴木晃志郎 (富山大学・准教授)
巻頭言:特集『再生可能エネルギーの施設立地がもたらす景観紛争-北杜市の持続的発展に向けた対話の試み』の刊行に寄せて」(pp. 15-18)
Prefatory Note: Toward a Better Understanding of Renewable Energy Facility Siting and its Environmental Impact
02. 牧野州哲 (太陽光発電を考える市民ネットワーク・共同代表)
太陽光発電施設建設に対する北杜市大泉町泉原地区の対応」(pp. 19-21)
Dealing with Emerged Challenges by the PV Facility-Sitings: Two cases in Izumihara district, Oizumi, Hokuto, Yamanashi Prefecture
03. 高橋正夫 (太陽光発電を考える市民ネットワーク・共同代表)
山梨県北杜市小淵沢町の篠原メガソーラーに関する報告」(pp. 22-29)
An Accusatorial Report on the Installation Process of the Shinohara Mega-Solar Power Plant, in Hokuto City, Yamanashi Prefecture
04. 中 哲夫 (太陽光発電を考える市民ネットワーク・共同代表)
北杜市の太陽光乱立の抑止に向けた活動を振り返って」(pp. 30-42)
Looking Back on the Brief History of Our Activity for Thwarting Locally Unwanted Sites
05. 田中正巳 (画家/太陽光発電を考える市民ネットワーク・共同代表)
芸術を志す者は,美しい景観を守る-地上設置型太陽光発電パネルに寄せて」(pp. 43-45)
To Nurture Oneself As an Artist, All Should Cherish Our Beautiful Nature: On the occasion of the PV facility-siting in Hokuto City
06. 浅川初男 (浅川太陽光発電所・所長)
太陽光発電と景観:地域の営みを踏まえた農村空間の有効利用」(pp. 46-60)
Photovoltaic Power Generation and the Impacts on Landscapes: with implications for farmland conservation
07. 中嶋明洋 (株式会社ソーラーパートナーズ・代表取締役)
太陽光発電によるトラブル発生のメカニズムと解決の方向性:専門業者の視点から」(pp. 61-70)
Examining Structural Causes of Trouble in the Course of Social Acceptance of Photovoltaic Generation for a Better Solution: An outlook
08. 白倉政司 (北杜市長)
太陽光に係る施策等について」(pp. 71-74)
Our Policy Directions in Regard to Renewable Energy
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 ご寄稿くださった皆さまには、現在進行形の問題を、その渦中にいる当事者に語っていただくという、極めて難しいお願いをいたしました。にもかかわらず、特に太陽光発電を推進している立場の方々に、これだけ真摯なご対応をいただけたこと、そして冷静かつ理路整然と議論を進めていただいたことは本当に有り難く幸運なことでした。それもこれも、「一部の不心得者のために、太陽光発電全体に対するいわれのない烙印(スティグマ)を押されるようなことがあってはいけない」という、関係者の方々の強い使命感と至誠のたまものでしょう。この場をお借りして、本特集に原稿をお寄せ下さった全ての皆さまに今一度、深く感謝を申し上げます。この特集が、太陽光発電と景観をめぐる議論に関心をもつ全ての方々に役立てられていくことを、心より願います。

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テーマ : 平和希求    ジャンル : 学問・文化・芸術


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