活動報告

鈴木晃志郎(富山大学准教授)の活動報告ブログです

 

穴の谷霊場について、地理科学学会で報告しました。


Category: 学会行ったよ   Tags: ---
記憶する限りおよそ13年ぶりで、2017年度地理科学春季学術大会に参加、一昨年来少しずつ進めてきた「穴の谷霊場」についての調査報告を発表してきました。

鈴木晃志郎(富山大)・伊藤修一(駒沢大・非)・島田章代(射水市立新湊小学校):
「霊場の脱聖地化・広域化に果たす霊水信仰の効果―富山県・穴の谷霊場を事例として―」


2年ほど前、日本地理学会が富山に来たとき、ユビキタス(マッピング)の対義語としての「アブスコンディトス(隠れて遍在している)」を表題に含めた「遍在する,隠れた神としての電子地理情報技術」という題の発表を致しました。

「神と名の付く学会発表を10何年ぶりに見た」と冷やかされた記憶も真新しいなか、性懲りも無く今度は「霊場」と「脱聖地化」の筵旗を掲げて広島大学に突撃。地理教育のまじめな発表の中で大いに場違い感をさらけ出し、「あいつはますますキワモノになったな」という印象しか残せなかったのではないかと危惧しておりますが、居合わせたY先生やC先生には近しく?お言葉を掛けていただき、やっぱり地理学会はいいな、温かいな~と勝手に喜んで帰ってまいりました。





この発表、タイトルはおどろおどろしく見えますが、調査自体は穴の谷に水を汲みに来る人の来訪動機や目的などをアンケートしたもので、比較的オーソドックスな地域調査なのではないかと思っています。

この場所を知ったのは、当時社会人院生として在籍していた島田さんに教わったのがきっかけでした。
穴の谷は富山市から立山方面に小一時間、上市町の町外れにある里山の奥にひっそりとたたずむ霊場です。昭和30年代に女性行者さんが修行されたのをきっかけに成立し、最初は本当に尼僧と信者のみが出入りする文字通りの「霊場」でしたが、それからおよそ半世紀、今はほとんど山の中に水が沸いているだけの採水場にすぎません。ところが、そんな場所にわざわざ県外から遙々、たくさんの人が水を汲みにやってくるのですね。最初は半信半疑で出かけていったものの、県外ナンバーの車が次々と吸い寄せられるように駐車場に入っては、中の人が灯油タンクを何本も積んだ台車をガラガラと押して水を汲んでいくのを見て、俄然興味が湧きまして。「水と安全はタダ」なんて言葉が流布している今の日本で、いったいこの人たちは何を求めて、こんな辺鄙な(といっては失礼ですが)周りにほとんど何も無いようなところまでやってくるのかを知りたいと思っての調査でした。

代表の金城さんのご厚意で資料を見せていただき、ヒアリングを実施。うちの学生の力を借りて、昨年の4月から5月に掛けて4回の悉皆調査をやり、86人分の他記式の調査票を集めました。伊藤さんに教えてもらいながら数量化三類による分析を加えたところ、「霊場」であったはずのこの場所に来ている人の来訪動機には、「水の美味さ」、「健康維持」、「病気治療」はあっても「宗教的な理由」はなく、霊場としての性格はすでに失われていること(敢えていえば一種のアニミズムといいますか、自然信仰に近いものに変容していること)が分かったというのが調査結果で、今回はその報告が中心の発表になりました。

学会当日ご参集の皆様には若干お目汚しのところ、(生?)温かい目で見守っていただき、ありがとうございました。道のりは遠いですが、せっかくなけなしの研究費から懐を痛めて?データをとりましたので、何とかこれをアカデミックな文脈の上に落として論文化すべく、これから頭を抱えて策を練ろうと思います。

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テーマ : スピリチュアル    ジャンル : 心と身体

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