活動報告

鈴木晃志郎(富山大学准教授)の活動報告ブログです

 

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北陸新幹線に関する論文(「自然と社会」所収)電子版が公開されました


Category: 論文書いたよ   Tags: ---
 皆さまもご承知の通り、富山は北陸新幹線の開業を本年度末に控え、良くも悪くも久々の大きな話題で持ちきりです。一昨年担当した基礎ゼミの初回、集まった学生に「今の時事ネタで一番興味があることは何ですか?」と聞いたところ、ダントツの一位が北陸新幹線。じゃあ、みんな興味のある北陸新幹線をネタにして論文書きませんかと言うことで、半年間掛けて書いたのが、以下の論文でした。

富山大学人文学部基礎ゼミナール受講生・鈴木晃志郎 2013. 北陸新幹線の開業
           がもたらす諸効果に対する大学生の意識
. 地域環境研究 5: 73-83.


 載るまでには色々と大変でしたが、3年後には卒論を書かなければいけない学生に、いい想い出作り(と教育)ができたでしょうし、私自身もそれまでにキャリアではほとんど使わなかった回帰分析を論文で使ってみる練習になり、思い出深い論文になりました。
 ところで、上記論文の結論は「大学生の北陸新幹線に対する態度は、専ら開業に伴う正の効果への期待感によって説明されました」だったのですが・・。なぜそうなるのかは良く分からず、やっておいて何ですが、結果に疑念が残るものになっていました。そこで探索的な手法の代表格、因子分析を適用して回帰モデルでは出てこない潜在的な傾向分析をやり直したのが今回の論文です。先にもご案内しましたが、学会のご厚意でPDFの公開が認められましたのでお知らせいたします。

鈴木晃志郎 2013. 北陸新幹線開業に対する大学生の態度の潜在的規定要因-
          因子分析を用いて-
. 自然と社会 79: 25-35.



  ---(当該部分を引用しますと・・)---
 ・・回転前の3因子で16項目の全分散を説明する割合は32.56%であった。
第1因子(寄与率13.37%)は7項目で構成されており,回帰分析の際に従属変数として用いた「北陸新幹線の開通は,富山の発展につながると思いますか」,および「北陸新幹線の開通に対して,あなたは賛成ですか」への回答と,「4-4. 災害時の迂回ルートの確保」,「4-5. 富山駅の美観創出」,「4-9. CO2の削減」,「4-12. 定時性確保」,「4-13. 沿線への経済効果」の5項目が高い負荷量を示していた。
 これらはいずれも正の効果を述べており,2つの従属変数用設問の両方が含まれていることも,重回帰分析の結果と符合するパターンを示している。したがって「開業に伴って期待される正の効果」因子と命名した。
 一方,第2因子(寄与率11.77%)は5項目で構成され,「4-2. 通過駅化(ストロー効果)」,「4-3. 高速化による宿泊客減」,「4-7. 関西方面への直通運転消滅」,「4-11. 並行在来線問題」,「4-14. 非沿線地域との格差拡大」と,全て北陸因子で,なおかつ負の効果に関する項目が高い負荷量を示している。これは「開業による北陸への負の効果に対する危惧」因子と言い換えられる。(pp. 32-33)
  ---(引用終わり)---

 実は何を隠そう、私はT検定と分散分析でスパッと差がある!ない!という結果を出すのが好きで、大学院時代はほとんどそれだけで乗り切ってきました。恥ずかしながら、因子分析を学術論文で使ったのはこれが初めてで、個人的にも大変勉強になったのですが、その最初の論文で、回帰分析では出てこなかった傾向を因子分析が抽出するのを見て、早速その有効性を目の当たりにし、これまで使わなかった不明を恥じました。学生は負の効果にもそこそこ目配りしていたけれど、私の組んだ回帰モデルの因果律(14項目の回答傾向が、新幹線開業の見通しを説明するというモデル)としては表れていなかったために、回帰モデルの結果だけ見ていると「学生は負の効果には目配りしていない」かのように錯覚してしまうということですね。この結果は、より学生の実際の意識を丁寧に汲み取ったものになっているのではないかと思います。

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テーマ : 鉄道の旅    ジャンル : 旅行

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