活動報告

鈴木晃志郎(富山大学准教授)の活動報告ブログです

 

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GIS学会で報告しました


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地理情報システム学会で発表しました。
今回は鞆の浦で配られている観光案内図の「範域」、即ち案内図の
四隅が、どこまでを鞆の浦に含め、描いているのかに注目しました。
GISで、各図の四隅の重なり具合を計算させ、その空間分布密度を
みることで、鞆の浦の「観光圏」を明らかにしよう・・という内容です。

論文の電子データはこちらをクリックしてダウンロードしてください。
出典は:地理情報システム学会講演論文集19です。電子版なので
掲載頁の情報はありません。

観光案内図というくらいですから、作り手が鞆の人であれ、自治体の
職員であれ、はたまた外部の出版社や旅行会社の人間であれ、みな
「鞆町のここが、観光客にとって見る価値がある場所だな」と思って
“見るべき場所”や“役立つ情報”を取捨選択しているはずです。この
原則は、変わることがありません。ですから逆に、できあがった地図
の方から、作った人たちに視線を向ければ、鞆町に対して抱いている
イメージや価値観が透けて見えるわけです。

こういう考え方をベースにして地図を読むアプローチを、批判地図学
(=Critical Cartography)と呼びます。欧米で1980年代ごろから
台頭してきました。

批判地図学は、地図を「読み解く」のが目的なので、どちらかというと、
説明方法も質的な手続きをとるのが一般的です。「ほら、ここに実在
しないライオンが描かれているでしょう?これは権威の象徴なんです」
と、表現の意味を個別に説明するやり方です。

今回の発表は、そういう説得調の質的な方法ではなく、もっと量的な、
客観的データを示すやり方で、批判地図学の論を展開できないか、と
考えたものです。

鞆町は、ざっくり分けると3つの地区から構成されています。原地区
と呼ばれる福山市に近い側、論文では便宜的に「江の浦」と呼んだ、
橋の問題に一番近い港周辺の地区、そして「平」と呼ばれる、道路橋
がかからないことで現在一番困っている地区です。

分析の結果、鞆の浦の観光圏は事実上、3つの地区のうち「江の浦」
だけを主な対象にしていることが明らかになりました。鞆の架橋問題
は、「景観か生活か」が争点だとされていますが、実はその裏側には
もうひとつ「受益圏である観光圏に含まれているのか、いないのか」の
対立軸が隠れていたということになります。下に分析結果図を載せて
おきましょう(出典は上記)。

観光圏の地図

分析してみて改めて、この問題の難しさを感じました。
ただ、聴き手からは暖かいお褒めの言葉を頂くことができ、分析中の
苦労が一気に報われた気持ちになりました。この僅かな瞬間のために、
研究者は日々、地味な研究を続けているのかも知れないですね・・。


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